目の病気とコレステロール

コレステロールは体内にある脂質の一種です。脳をはじめ全身に含まれていますが、全体の量の10分の1くらいが血液中にあります。ほとんどが肝臓で合成されるのですが、それ以外に卵や肉といった動物性の食品を摂取することで補給されます。コレステロールというと悪いイメージでとられがちですが、体にとって良い働きをする善玉コレステロール(HDL)と、悪い働きをする悪玉コレステロール(LDL)があります。血液中の正常値は、善玉も悪玉も合わせた総コレステロール値が130~220ミリグラムとされていて、このうちの善玉コレステロールでは、男性が40~60ミリグラム、女性は45~65ミリグラムです。

ルテインやゼアキサンチンは、その50%以上が血液中の善玉コレステロールによって運ばれるのですが、閉経した女性は、善玉コレステロールの値が低くなります。さらに、女性ホルモンのエストロゲンが減少することが影響し、黄斑変性の危険が非常に高くなるといわれています。エストロゲンは血液中のコレステロールなどの脂質を正常に保つ働きをしているので、これが減ってしまうと、悪玉コレステロールが増加してしまうのです。そして、そんなときには大豆などの善玉コレステロールを増やすような食品を摂取するのが有効です。血液中の悪玉コレステロールと中性脂肪だけを減らすことで、結果的に善玉コレステロールの比率を高め、脂質のバランスを改善していきます。

大豆にはイソフラボンという植物ホルモンが豊富に含まれていて、その働きは活性酸素の害を消すことです。それと、大豆イソフラボンには、糖尿病で眼底に新たな血管ができてしまうのを遅らせ、失明の危険を低くする働きもあります。

アボカド、アスパラ、レバーなどに多く含まれるグルタチオンは、体内のほとんどの組織で作用する抗酸化物質です。悪玉コレステロールを減少させ、黄斑変性症や白内障、緑内障に対しての解毒剤として働きます。生体内に必要不可欠な成分ですが、加齢とともに減少していきます。

これからの社会では目にかかる負担がますます大きくなることが予想されますが、目に有効な栄養素を上手に摂取できるような食生活が重要になるでしょう。

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