ルテインで活性酸素から目を守る

活性酸素の発生源が私たちの身のまわりにたくさんあり、私たちの体は活性酸素によって酸化し老化していってしまうのですが、ただ活性酸素にやられているだけではありません。活性酸素による細胞の酸化を阻止しようと働く、抗酸化作用が備わっています。ひとつは、体内酵素の働きによるものです。もうひとつは、その酵素の働きを助けるために体外から酵素を補うものとして摂取されるビタミン、ミネラル、ほか植物に含まれるいろいろな抗酸化物質の働きによるものです。

しかし、私たちの体には、このような体内酵素や抗酸化物質が不足すると、体内の脂質が活性酸素によって過剰に酸化されて過酸化脂質が増えてしまうのです。この過酸化脂質はタンパク質と結びつき、新たな老化色素に変わります。そして、それが神経、心臓や肺などにできてしまうと、老人性痴呆症や神経痛、また心臓の調子が悪くなったりなど、いろいろな病気の原因となります。それから、体内で活性酸素の動きが活発になると、肌のハリを保つコラーゲンの性質が変化したり、肌のみずみずしさを保つコンドロイチンやヒアルロン酸の性質が変化して、美容面ではシワの原因となります。

この活性酸素は、視力の低下や視力障害が起こる原因にも関係しています。活性酸素にはいくつか種類がありますが、例えば、網膜の中心部にある黄斑(おうはん)が活性酸素によって傷つけられてしまう黄斑変性症は、光線によって発生する一重項酸素という活性酸素が引き起こすことがわかっています。

活性酸素を抑制するのに抗酸化物質が有効なことは、目の病気の予防・改善についても同じことが言えます。ビタミンA、ビタミンC、またブルーベリーなどに含まれるフラボノイド、そして、ビタミンE、セレニウム、亜鉛などの微量ミネラルが目に良いことは、すでに明らかになっています。

マグネシウムが目に役立つこともわっています。青い光は目の網膜の視覚色素を壊しやすいといわれていますが、それをマグネシウムが守ってくれたり、マグネシウム不足が原因で起こる白内障や眼性の偏頭痛などはマグネシウムの補給で予防することができます。

そんな中で注目されているのがルテインと、その仲間のゼアキサンチンです。それは、このふたつが、カロテノイドの種類の中でも特に強力な抗酸化性をもっているためです。さらに、ルテインとゼアキサンチンは目の組織に豊富に含まれていて、網膜の黄斑部には、このふたつしか存在していないのです。

これらのことから、活性酸素の害から目を守り、目の病気の原因を取り除くには、ルテインやゼアキサンチンを体の外から補給することが大切になります。

活性酸素が目の病気の原因になる?

生活習慣病といわれているガンや心臓病、動脈硬化、糖尿病、痴呆症などのほとんどに活性酸素が関係していることは知っている人も多いと思います。それだけでなく、目の病気についても、この活性酸素が関係しているのです。

活性酸素は、私たちが生きていくために必要不可欠な酸素が体内で代謝の時に変身したもので、さまざまな老化現象を引き起こす原因となるものだと考えられています。老化というのは活性酸素の働きで細胞が少しずつ壊され、次第に生体の機能が低下していく状態です。

活性酸素の発生源としては、紫外線や大気汚染といった自然環境のほか、喫煙、激しい運動、ストレスなども影響します。

体に有害な活性酸素

活性という言葉からは、私たちの体のために一生懸命活発に働いてくれる良いイメージですが、実はとても攻撃的で毒性の強い酸素なのです。

私たちは、酸素を吸い二酸化炭素を吐いて呼吸をしています。そして、私たちの体をつくっている細胞にはミトコンドリアという器官があって、体内に取り入れられた酸素を利用して生命活動に欠かせないエネルギーをつくっているのですが、その際に活性酸素も生まれてしまいます。活性酸素は人間の細胞を酸化させて健康な体内の環境を破壊し、いろいろな病気を起こす誘因となっています。

私たちの体の中の脂肪は、細胞膜を構成しているとても重要な成分なのですが、活性酸素によって酸化されると過酸化脂質という毒性の油分に変化します。この過酸化脂質はフリーラジカルという不安定な分子で他の分子と反応しやすく、周りの脂質を仲間に変えてしまいます。

この活性酸素が、目の病気においても原因となっています。白内障は水晶体のヒアルロン酸が酸化することで起こるのですが、その酸化を促進するのが活性酸素です。黄斑変性症は、網膜で大きな役割を果たしている黄斑部が活性酸素により傷つけられることで発症します。
残念ながら、繊細な細胞に対しての酸化による損傷は、私たちの体の中で継続的に形成されていて、目の健康にとっても障害となっているのです。

現代人の目は危険な状況にある

現代は、高齢化や情報化社会、ストレスの増大、自然環境の悪化などによって、私たちの目にとても負担が多い状況です。

人間の目の構造は、目をカメラにたとえると、水晶体がカメラのレンズに当たり、奥にある網膜がフィルムの役目をしています。目から入ってきた光の情報は、網膜の中心部の黄斑(おうはん)で鮮明な画像になります。そして、この情報が視神経を通して脳へと伝えられることで、私たちは物が見える状態になっているのです。しかし、加齢によりその黄斑部に障害が出て物が見えにくくなってしまう黄斑変性症の患者が、日本でも増えてきています。

白内障は、水晶体に含まれているヒアルロン酸が酸化されて、白く濁ってくもってしまうことで物が鮮明に見えなくなる目の病気です。ヒアルロン酸は、アミノ酸を有する『ムコ多糖体』であり、目の硝子体(しょうしたい)の透明性を保つのにも役立っているといわれる、目にとって重要な成分です。

このようにして起こる白内障ですが、その多くは、やはり加齢に伴う加齢性白内障で、水晶体の端のほうから濁ってきます。60代で60パーセント、80代では80パーセントくらいの人が発症するといわれ、昔は白内障は老人の病気だと思われていましたが、今では40代の人にも発症することがみられるようになって、若年化もさらに進んでいます。食事や運動不足、ストレスなどが原因となり生活習慣病ともいわれる糖尿病が関係して発症する白内障の患者も増加しています。

同じように40歳を過ぎたら注意しなければならないのが、緑内障です。この緑内障は、おもに眼圧が高くなることによって視界が狭くなってしまう症状が起こる目の病気です。慢性の場合、初期症状が無く、何年か経過してから症状が現れることが多いといわれていて、そのまま進行してしまうと失明の可能性が高くなります。

また、小・中学生、高校生の視力の低下が年々上昇している状態であることが、文部科学省の調査で明らかになっています。子供たちにも、すでに目の病気の予備軍となっている可能性があるのです。

このように日本人の目は深刻な状態にあるのですが、ここにさらに拍車をかけているのがインターネットの普及です。パソコンや携帯電話などのディスプレイで長時間作業する人が多く、眼精疲労をはじめ、ドライアイ、肩こりや頭痛といった症状のある人が増えています。
仕事でも遊びでも世界中の人たちとコミュニケーションがとれ便利な時代ではありますが、情報化社会が、私たちの目や体に危険を及ぼしているのです。

黄斑変性症とルテイン

黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)とは、目の網膜の中心部の黄斑に障害が生じて、見ようとする物やところが見えにくくなる病気です。
人間は年齢を重ねるに連れ体のいろいろなところに病気がでるものですが、加齢により起こる黄斑変性症もそのひとつです。
加齢黄斑変性症は、日本での患者数は比較的少ないと考えられていましたが、欧米では成人が失明する一番の原因となっていて、珍しい病気ではありません。
高齢化と生活スタイルの欧米化がすすむ日本でも、近年は増加傾向にあり、眼科の最も重要な病気となってきていることが考えられます。
最近になって治療法が新たに開発されましたが、それまでは医学的に加齢黄斑変性症の確かな治療法が見つかっていなかったことから、ルテインが注目されるようになりました。
また、ルテインは、白内障や老眼に対しても予防や改善の作用があり、緑内障に対しては今後の研究に期待が寄せられています。

加齢黄斑変性症の予防として期待できるもの

1.食事
 緑黄色野菜はカロテノイドを含むものが多く、加齢黄斑変性の発症を抑えると考えられています。また、魚には目の健康維持に働くDHAやEPAが含まれていますので、肉よりも魚中心の食事の方が良いです。
2.禁煙
 タバコを吸う人は、吸わない人に比べ加齢黄斑変性になる危険性が高いことがわかっています。タバコは、加齢黄斑変性だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼしますので、喫煙している人には禁煙がすすめられます。
3.サプリメント
 ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、亜鉛などを含んだサプリメントを摂取すると加齢黄斑変性の発症が少なくなることがわかっています。片方の目に加齢黄斑変性が発症した人にはサプリメントの摂取がおすすめです。ただし、完全に抑えられるわけではありません。

緑黄色野菜に豊富に含まれているルテイン

ルテインはカロテノイドの一種

自然界の植物には、その体内に色素成分を含んでいて、オレンジ色や黄色、赤や紫といったとても鮮やかな色を持っているものがあります。このように天然に存在する色素のことを総称してカロテノイド(カロチノイド)といいます。

色が濃く鮮やかな緑黄色野菜や果物をたくさん食べると病気にかかりにくい、と昔からいわれていますが、その理由のひとつに、このような食物に含まれる成分『カロテノイド』にあることが知られています。

集団に頻繁に発生する病気の原因を生活習慣との関係から調べる疫学調査において、緑黄色野菜や果物の消費が多い地域ほど、ガンや心臓病にかかることが少ないことが明らかになっているそうです。
世界でもガン患者が少ないという、タヒチやフィジーの南太平洋諸島に暮らす人々は、日常的に野菜や果物をとても多く摂取しているといいます。ハイビスカスやアマランサスなどの葉には、ルテインやβ-カロテンなどカロテノイドが豊富に含まれているのです。

これまでの研究で、カロテノイドが、病気が発生するのに深く関係している活性酸素を消去する働きがあり、生活習慣病を予防するのに有効なことがわかっています。

カロテノイドは、炭素と水素だけで構成され構造に酸素を含まないカロテン類と、酸素を含むキサントフィル類のふたつに大きく分けられます。
カロテン類でよく知られているものには、カボチャやニンジン、ホウレンソウなどに多く含まれているβ-カロテンや、トマトに多く含まれているリコピンがあり、もう一方のキサントフィル類には、ここで取り上げるルテインや、ゼアキサンチンがあります。

ルテインは黄色の色素で、緑黄色野菜や果物のほか人間の体にも含まれています。特に目の組織(黄斑部や水晶体)に多く含まれます。
目の機能を強化したり、目の病気を予防するのに役立つということで注目される成分ですが、とても強力な抗酸化作用があって、ガンの抑制などについても有効であることが、近年の研究でわかっています。

目の病気のなかでは、特に黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)の予防や改善に対し関心が高まっています。