黄斑変性症とルテイン

黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)とは、目の網膜の中心部の黄斑に障害が生じて、見ようとする物やところが見えにくくなる病気です。
人間は年齢を重ねるに連れ体のいろいろなところに病気がでるものですが、加齢により起こる黄斑変性症もそのひとつです。
加齢黄斑変性症は、日本での患者数は比較的少ないと考えられていましたが、欧米では成人が失明する一番の原因となっていて、珍しい病気ではありません。
高齢化と生活スタイルの欧米化がすすむ日本でも、近年は増加傾向にあり、眼科の最も重要な病気となってきていることが考えられます。
最近になって治療法が新たに開発されましたが、それまでは医学的に加齢黄斑変性症の確かな治療法が見つかっていなかったことから、ルテインが注目されるようになりました。
また、ルテインは、白内障や老眼に対しても予防や改善の作用があり、緑内障に対しては今後の研究に期待が寄せられています。

加齢黄斑変性症の予防として期待できるもの

1.食事
 緑黄色野菜はカロテノイドを含むものが多く、加齢黄斑変性の発症を抑えると考えられています。また、魚には目の健康維持に働くDHAやEPAが含まれていますので、肉よりも魚中心の食事の方が良いです。
2.禁煙
 タバコを吸う人は、吸わない人に比べ加齢黄斑変性になる危険性が高いことがわかっています。タバコは、加齢黄斑変性だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼしますので、喫煙している人には禁煙がすすめられます。
3.サプリメント
 ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、亜鉛などを含んだサプリメントを摂取すると加齢黄斑変性の発症が少なくなることがわかっています。片方の目に加齢黄斑変性が発症した人にはサプリメントの摂取がおすすめです。ただし、完全に抑えられるわけではありません。

緑黄色野菜に豊富に含まれているルテイン

ルテインはカロテノイドの一種

自然界の植物には、その体内に色素成分を含んでいて、オレンジ色や黄色、赤や紫といったとても鮮やかな色を持っているものがあります。このように天然に存在する色素のことを総称してカロテノイド(カロチノイド)といいます。

色が濃く鮮やかな緑黄色野菜や果物をたくさん食べると病気にかかりにくい、と昔からいわれていますが、その理由のひとつに、このような食物に含まれる成分『カロテノイド』にあることが知られています。

集団に頻繁に発生する病気の原因を生活習慣との関係から調べる疫学調査において、緑黄色野菜や果物の消費が多い地域ほど、ガンや心臓病にかかることが少ないことが明らかになっているそうです。
世界でもガン患者が少ないという、タヒチやフィジーの南太平洋諸島に暮らす人々は、日常的に野菜や果物をとても多く摂取しているといいます。ハイビスカスやアマランサスなどの葉には、ルテインやβ-カロテンなどカロテノイドが豊富に含まれているのです。

これまでの研究で、カロテノイドが、病気が発生するのに深く関係している活性酸素を消去する働きがあり、生活習慣病を予防するのに有効なことがわかっています。

カロテノイドは、炭素と水素だけで構成され構造に酸素を含まないカロテン類と、酸素を含むキサントフィル類のふたつに大きく分けられます。
カロテン類でよく知られているものには、カボチャやニンジン、ホウレンソウなどに多く含まれているβ-カロテンや、トマトに多く含まれているリコピンがあり、もう一方のキサントフィル類には、ここで取り上げるルテインや、ゼアキサンチンがあります。

ルテインは黄色の色素で、緑黄色野菜や果物のほか人間の体にも含まれています。特に目の組織(黄斑部や水晶体)に多く含まれます。
目の機能を強化したり、目の病気を予防するのに役立つということで注目される成分ですが、とても強力な抗酸化作用があって、ガンの抑制などについても有効であることが、近年の研究でわかっています。

目の病気のなかでは、特に黄斑変性症(おうはんへんせいしょう)の予防や改善に対し関心が高まっています。