高血圧が引き起こす視力障害

本態性高血圧と目の異常

高血圧のなかには、その原因が特定できない『本態性高血圧』というタイプがあります。高血圧の人のおよそ9割がこのタイプであるといわれています。そして、高血圧の状態が続くと動脈硬化が起こり、やがては目にも悪影響を及ぼします。

高血圧の状態では、血管の壁に負担が大きくかかります。血管の壁はそれに対応するために硬く変化し、動脈硬化を起こします。本来は透明なはずの血管の壁は、動脈が硬くなることで濁り、赤茶色っぽく変化していきます。動脈硬化が起こると網膜にある動脈も硬くなり、交差して走る静脈を圧迫します。

硬くなった動脈が静脈を圧迫すると眼外へ出ていく静脈血がうっ血して、毛細血管から網膜の中へ出血するようになります。この状態を網膜静脈分枝閉塞症(もうまくじょうみゃくぶんしへいそくしょう)といいます。また、網膜の静脈は視神経と一緒に眼外へ出ていきますが、ここで血流が悪くなると眼底の網膜全体に出血します。この状態は、網膜中心静脈閉塞症(もうまくちゅうしんじょうみゃくへいそくしょう)といいます。どちらも、高血圧や動脈硬化によって起こる眼底出血の代表的な症状で、50代以上の人にみられます。網膜の動脈にできた瘤(こぶ)が破れ眼底出血が起こる網膜細動脈瘤(もうまくさいどうみゃくりゅう)も、高血圧の老年者にみられます。

このような本態性高血圧による目の異常は、視力の低下や物がゆがんで見えるなどの症状を引き起こします。さらに網膜中心静脈閉塞症は、緑内障を引き起こすこともあり、処置が遅れると失明する危険もあるのです。

二次性高血圧と目の異常

なにかの病気の影響で血圧が上がるために起こる高血圧のタイプを『二次性高血圧』といいます。腎臓の病気が原因で高血圧の状態になっている人は、特に目の病気にかかりやすくなります。

この高血圧の状態が続いた場合には、動脈が刺激されて収縮し、ところどころに「くびれ」ができます。そのため動脈の血液の流れが悪くなり十分に流れずに、血管壁には酸素や栄養が不足します。すると血管は次第にもろくなっていき、やがては毛細血管から出血するようになります。そして、網膜には漏れだした血液のシミやむくみができ、視力障害が起きるのです。

こうした高血圧性の変化では、腎臓の機能が急激に悪化したりすると、視神経乳頭という神経線維を束ねる大切な部分が腫れ危険な状態になることもあります。

放置すると血管障害の原因になるにも書かれているとおり高血圧は放置すると全身の動脈に影響が及びます。冠動脈や脳動脈の血管が詰まった場合は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしこれが死につながるケースもあるため注意が必要です。

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