ルテインたっぷりの旬のかぼちゃ

疲れ目やドライアイといった目のトラブルや症状に悩まされる人にはルテインのサプリが定番ですが、当然、普段食べるものにもたくさんのルテインが含まれているものがあります。それが「旬のかぼちゃ」です。しっかり栄養成分が含まれたものを選ぶにはやはり旬のかぼちゃがおすすめです。

目のためにいい成分がたっぷり

秋~冬にかけてはどうしても野菜の供給量が急減します。そんな中、栄養価を保ったまま保存できるかぼちゃはとても重宝されてきました。オレンジ色の果肉にはカロテノイドの一種ルテインが多く、光による損傷から目を守ってくれます。食物繊維も豊富でおなかの調子を整えるのにもとても役立ちます。
かぼちゃの健康効果は次の3つです。

健康効果その1 豊富なルテインで目、肌、粘膜を守る

緑黄色野菜にはカロテノイドが豊富で、かぼちゃに多く含まれるのが現代人に大きなダメージを与える活性酸素から目や肌を守る成分、ルテイン。かぼちゃのカロテノイドのおよそ70%をしめ100g中1.5mg含まれる。

健康効果その2 食物繊維が豊富で便通を改善する

かぼちゃは野菜の中でも食物繊維が多く、腸内環境を改善するのに役立つ。同じ食感のさつまいもに比べて1.5倍、キャベツの2倍の食物繊維が含まれる。

健康効果その3 血糖値の上昇を抑える

かぼちゃに含まれる成分は肝臓での糖の生成を抑え血糖値の上昇を抑える。

かぼちゃについて

どうしても冬至のイメージがかぼちゃに根付いてしまっているために冬のかぼちゃと思われているのですが、旬は夏。昔から野菜が減る秋~冬にかけてビタミンの供給源として重宝されてきました。保存の間にさらに熟成するので色素成分のカロテノイドの量が増えるのも特徴です。
丸ごと3ヶ月ほど貯蔵した場合には、カロテノイドの効能は4~5倍になるといいます。

かぼちゃのカロテノイドは肌や粘膜を健康に保ち、美肌や風邪予防に効果的。当然、目にも良く、抗酸化作用により日々光によって受ける損傷からも目を守ります。

ルテインは、人間の体の中では目に多く蓄積され、目の奥の網膜を痛める原因となる青色の光を吸収して目を保護してくれます。

実際に目の中の脂質の酸化をどの程度抑えるかを見た研究でもかぼちゃは低濃度で酸化抑制効果があることが確認されました。これは加齢黄斑変性症といった網膜の病気に予防効果があるということです。

最近では、糖尿病予防にもなるという研究結果もでています。これはかぼちゃに含まれるトリゴネリンという成分が糖代謝を改善し、脂肪の蓄積を抑える効果がわかりました。現代人にはカロテノイドの摂取量も不足しているので、かぼちゃでどんどん良い成分を摂りたいですね。

選び方のポイントと保存方法

カットされているかぼちゃは、果肉の色が濃いものを選ぶようにするとカロテノイドの量が多く、また、種とわたが詰まっていてわたがとけていないものが新鮮。丸ごとなら皮に傷がないもの、皮が硬いものを選びましょう。

保存方法は、カットしたものは、種とわたをとってラップに包み冷蔵庫で保存すれば4~5日保ちます。丸ごとなら、常温で1~2ヶ月保存できます。

視野が欠ける緑内障

眼圧が上昇して緑内障を引き起こす

緑内障(りょくないしょう)は、眼圧が上昇することによって視神経が侵され、視野が狭くなる目の病気です。目に起こる病気の中では白内障とならんでよく耳にすると思いますが、ときには失明してしまうこともある恐ろしい病気なのです。緑内障の原因や症状の進行のしかたによってタイプはいくつかに分けられますが、どれにも共通しているのは「眼圧」で、これが病状に影響します。

眼球は丸いのですが、この形を保っていられるのは眼球自体に適度な張りがあるためです。この張りこそが眼圧です。眼球の中には房水(ぼうすい)という眼内液があって、これの量によって眼圧は決まります。よく「眼圧が高い」などといいますが、これは房水の量が多く眼球がパンパンに張ってしまっている状態のことです。房水は毛様体でつくられ、眼圧を保つのと共に角膜・水晶体の栄養補給をしています。毛様体から出てきた房水は、そのあと虹彩(こうさい)と水晶体の間を通り「前房」という空間に出て、最後はシュレム管といわれる小さな孔から排出されています。だから、シュレム管が詰まったり圧迫されたりすると、房水は出口を失うことになり眼内にどんどん増えてしまい、眼圧が高くなるのです。すると、神経線維の束が圧力を受け、正常に働くことができなくなって、視野が狭くなったりします。

眼圧は、1日の間でも時間によって変わります。また、時期によっても変動したり個人差もありますが、眼圧の正常値は10~20 mmHgであるとされています。この値を超えると緑内障になる危険が高くなりますが、正常の範囲内であっても緑内障にならないとは言いきれず、最近では正常眼圧型の緑内障患者も増えているようです。

眼圧の上昇と視神経

網膜の中心には明るさや色を感じる1億個もの視細胞があり、これらはたくさんの視神経につながっています。視神経は視神経乳頭という網膜の後方部分でひとつの束となって大脳へ伸びているのですが、神経線維は、この部分ではほぼ直角に折れ曲がるので、構造的にとても弱いのです。そこで、眼圧が高くなるとまず視神経乳頭が圧迫されます。

圧迫され続けた神経線維はやがて死んでしまい、視神経はもとにはもどりません。ですから、死んでしまった視神経とつながっている視細胞がどんなに視覚情報をキャッチしたとしても、それが大脳に伝わらず、視野が欠ける部分ができてしまいます。

こうして視神経の一部が破壊され視野が狭くなった状態を視野狭窄(しやきょうさく)といい、もしもすべての視神経が破壊されてしまうと失明することになります。

レンズが濁ってかすんで見える白内障

白内障(はくないしょう)は、水晶体という透明なレンズが白く濁ることが原因となって視力の低下が起こってしまう目の病気です。白内障になると、ものがかすんだように見えたり、ぼんやりとぼやけて見えます。高齢者がかかる病気というイメージがあるかもしれませんが、50歳ぐらいの働き盛りの人でも症状があらわれることがあります。

水晶体の中身は水分とタンパク質ですが、白内障の原因となる水晶体の濁りは、タンパク質の変化や水分量のバランスが崩れることによって起こります。水晶体が濁ってしまうと、光が網膜まで届かなくなったり水晶体を通過するときに乱反射が起きたりして、網膜で正しい像を結ぶことができなくなるのです。

水晶体の濁りのもととなるタンパク質の変化にはいろいろな原因がありますが、最も多いのは老化です。タンパク質は加齢とともに変化して白く濁っていきます。これが白内障の始まりなのですが、この変化はごく普通の老化現象であり、40歳を過ぎると徐々に始まります。そして、80代になれば水晶体に濁りがみられるのがあたりまえで、誰にでも起こることです。こうした加齢による白内障は、『加齢性白内障』といわれています。ただし、老化現象というのは人によって進行のしかたが違い、水晶体の濁り方にも差があります。割と早い時期から視力に障害が出てくる人がいるのに対し、濁る場所によっては、自覚症状がほとんど無いこともあります。

白内障の3つのタイプ

水晶体は、中心部の水晶体核、そのまわりにある水晶体皮質、さらに外側にある水晶体嚢(すいしょうたいのう)という3つの部分からできています。そして、白内障は、水晶体の濁る場所によってタイプが分けられます。それには3つのタイプがありますが、どのタイプも初期には異変を感じず、病気がある程度進行してから自覚症状が出てきます。また、タイプによって症状も違います。

中心の核が濁るタイプを「核白内障」といいます。水晶体が厚くなり屈折率が上がるので近くのものが見えやすくなったり、ものが重なって見えたり、暗くなるとものが見えにくいといった症状があります。次に、皮質が濁るタイプを「皮質白内障」といいます。光の乱反射が起こりやすくて、ものを見たときに強いまぶしさを感じたり、濁る部分によってかすんで見えます。続いて、水晶体の後ろの皮質、水晶体嚢が濁るタイプを「後嚢下白内障」といいます。このタイプでは、視力の低下が進行するのが速くなります。

これらの自覚症状に気が付いたとしても、老眼と勘違いしてしまい治療が遅れることもあるようです。老眼の場合には近くのものだけ見えにくくなるのですが、白内障には遠近どちらも見えにくいという特徴があるので覚えておくとよいでしょう。

ものが歪んで見えてしまう加齢黄斑変性症

老化による目の病気

加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)は、年齢でいうと50代なかばくらいになるとあらわれはじめ、通常は女性より男性のほうが起きやすく、放っておくと失明の危険がある目の病気です。加齢黄斑変性症が起こる最大の原因は、目の老化であるといわれています。目の老化によって、網膜にある黄斑部の働きが悪くなるのです。

網膜はものを映し出すフィルムのような組織なのですが、解像力に優れていて、その中でも、ものを見るために中心的な役割をしているのが黄斑部です。黄斑部には、光や色を判別するのに必要な視細胞がぎっしり詰まっています。目の組織の老化が始まると、視細胞に栄養を与える網膜色素上皮(もうまくしきそじょうひ)が縮んでしまったり、網膜の外側にある脈絡膜にできた新生血管が網膜に入り込んでしまう状態になり、視細胞の働きを妨げます。

どちらの場合も加齢黄斑変性症を引き起こすのですが、網膜色素上皮が縮むタイプは萎縮型(いしゅくがた)といわれ、徐々に組織が傷んで、ゆっくりと視力が低下していきます。このタイプは今のところ治療法がないのですが、視力が急に落ちないこともあり、それほど問題視されてはいません。新生血管の影響によるタイプは滲出型(しんしゅつがた)といって、水分が滲み出たり出血したりして黄斑に障害が出ます。新生血管は、普通の血管と異なり弱くてもろいため出血しやすいのです。このタイプは症状の進行が速く、失明してしまう可能性もあるので問題となっています。新生血管のできた位置によって治療法は違ってきますが、主なものにはレーザー治療があります。

加齢黄斑変性症を防ぐには

加齢黄斑変性症を予防するポイントを知っておきましょう。滲出型の黄斑変性症の原因となる新生血管ができるのは老化現象のひとつですが、老化が始まっているすべての人に症状があらわれるわけではないのです。発症を防ぐために、いろいろな病気にかかりやすい50歳以上の人は特に、普段から次のような点に注意して生活しましょう。また、視野に異常がないかをチェックしましょう。視野が歪むのはこの病気の特徴的な症状で、マス目状になっている方眼紙のようなものを見ればわかります。

  1. 紫外線を避ける
  2. 禁煙する
  3. 生活習慣を改善する
  4. ストレスをためない

紫外線や有害な青色光で新生血管ができやすくなります。外出時にはサングラスをかけるなど、太陽光から目を守りましょう。
タバコは血流を悪くし、毛細血管に大きなダメージを与えます。いろいろな病気にもかかりやすくなるので禁煙するのがおすすめです。
食生活の乱れや運動不足の生活習慣を改善しましょう。食事では抗酸化物質を多く含む食品をとったり、サプリメントをうまく活用しましょう
ストレスは活性酸素のかたまりです。できるだけストレスをためないこと、たまったら解消することが大切です。

高血圧が引き起こす視力障害

本態性高血圧と目の異常

高血圧のなかには、その原因が特定できない『本態性高血圧』というタイプがあります。高血圧の人のおよそ9割がこのタイプであるといわれています。そして、高血圧の状態が続くと動脈硬化が起こり、やがては目にも悪影響を及ぼします。

高血圧の状態では、血管の壁に負担が大きくかかります。血管の壁はそれに対応するために硬く変化し、動脈硬化を起こします。本来は透明なはずの血管の壁は、動脈が硬くなることで濁り、赤茶色っぽく変化していきます。動脈硬化が起こると網膜にある動脈も硬くなり、交差して走る静脈を圧迫します。

硬くなった動脈が静脈を圧迫すると眼外へ出ていく静脈血がうっ血して、毛細血管から網膜の中へ出血するようになります。この状態を網膜静脈分枝閉塞症(もうまくじょうみゃくぶんしへいそくしょう)といいます。また、網膜の静脈は視神経と一緒に眼外へ出ていきますが、ここで血流が悪くなると眼底の網膜全体に出血します。この状態は、網膜中心静脈閉塞症(もうまくちゅうしんじょうみゃくへいそくしょう)といいます。どちらも、高血圧や動脈硬化によって起こる眼底出血の代表的な症状で、50代以上の人にみられます。網膜の動脈にできた瘤(こぶ)が破れ眼底出血が起こる網膜細動脈瘤(もうまくさいどうみゃくりゅう)も、高血圧の老年者にみられます。

このような本態性高血圧による目の異常は、視力の低下や物がゆがんで見えるなどの症状を引き起こします。さらに網膜中心静脈閉塞症は、緑内障を引き起こすこともあり、処置が遅れると失明する危険もあるのです。

二次性高血圧と目の異常

なにかの病気の影響で血圧が上がるために起こる高血圧のタイプを『二次性高血圧』といいます。腎臓の病気が原因で高血圧の状態になっている人は、特に目の病気にかかりやすくなります。

この高血圧の状態が続いた場合には、動脈が刺激されて収縮し、ところどころに「くびれ」ができます。そのため動脈の血液の流れが悪くなり十分に流れずに、血管壁には酸素や栄養が不足します。すると血管は次第にもろくなっていき、やがては毛細血管から出血するようになります。そして、網膜には漏れだした血液のシミやむくみができ、視力障害が起きるのです。

こうした高血圧性の変化では、腎臓の機能が急激に悪化したりすると、視神経乳頭という神経線維を束ねる大切な部分が腫れ危険な状態になることもあります。

放置すると血管障害の原因になるにも書かれているとおり高血圧は放置すると全身の動脈に影響が及びます。冠動脈や脳動脈の血管が詰まった場合は、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こしこれが死につながるケースもあるため注意が必要です。

糖尿病で失明?糖尿病網膜症

糖尿病によって起こる目の病気

糖尿病網膜症は糖尿病の三大合併症のひとつであり、最近では日本でも患者が急増している目の病気です。日本では成人の失明原因のトップになっています。この合併症はめずらしいものではなく、糖尿病患者のうち5分の1くらいの人は、糖尿病が悪化して失明したり、失明の一歩手前にいる状態であるとみられています。糖尿病は全身に合併症を引き起こしますが、目に対しても大きな影響を与えるのです。

糖尿病になると血中のブドウ糖が増加し、血管が詰まったり瘤(こぶ)ができたりして血液の流れが悪くなります。すると血液によって酸素が運ばれる量が不足し、血管そのものがもろくなってしまいます。眼底の毛細血管のような細い血管は特に傷つきやすく、出血が起こります。ものを見るのに欠かせない網膜にはたくさんの毛細血管があり、ここで眼底出血が起こると視力の低下につながります。

ところが、この糖尿病網膜症には厄介なところがあって、他の目の病気と比べ自覚症状が少ないのでなかなか気づかないのです。糖尿病になってから10年くらい経たないとわからないことが多く、この病気に気づく頃には症状がかなり悪化していることも多いようです。そうならないためにも、糖尿病の人は特に症状がなくても定期的に眼科を受診したほうがよいでしょう。

この糖尿病網膜症の他にも、糖尿病の合併症で起こる目の病気には、血管新生緑内障や白内障、眼筋マヒなどがあります。

糖尿病網膜症の進行

糖尿病網膜症はじわじわと進行していきますが、それには次の3つの段階があります。

  1. 単純網膜症
  2. 前増殖網膜症
  3. 増殖網膜症

第1段階の『単純網膜症』では、もろくなった毛細血管から血液がにじみ出ます。それが網膜に染みて「白斑」(はくはん)という白い斑点ができたり、「点状出血」という小さな出血が起こります。また、毛細血管に瘤(こぶ)ができ血管が詰まるようになります。ただし、黄斑部が冒されていなければ視野の異常や視力の低下がなく自覚症状はありません。第2段階の『前増殖網膜症』には血糖値が高い状態が続くことで移行し、白斑や点状出血がさらに増えます。そして、毛細血管が閉塞を起こす部分が出てきます。この段階でも、まだ自覚症状はありません。第3段階の『増殖網膜症』は、失明の可能性が高い危険な状態です。視野がぼやけたり飛蚊症があらわれたりと、自覚症状が出ます。この段階になると毛細血管が詰まって酸欠になり、それを補うために新生血管がたくさんつくられます。しかし、この血管は急にできた、とても弱い粗末なもので破れて出血しやすいのです。視野がぼやけたり飛蚊症があらわれるのは、硝子体の中で出血し、それによって目に入ってきた光が遮られるからです。出血の量が多いと、ほぼ失明状態となります。

硝子体の老化による網膜剥離

網膜剥離とは

網膜剥離(もうまくはくり)とは、眼球の中でものを映し出すフィルムの役割りをしている網膜がはがれて、視力が著しく低下したり失明を引き起こしたりする病気です。ケガや糖尿病などほかの原因によって起こることもありますが、その多くは老化によるものです。

硝子体(しょうしたい)の老化によって、まず網膜に裂け目ができて、そこから剥がれて症状が進行していきます。この網膜の裂け目を網膜裂孔(もうまくれっこう)といいますが、これは網膜が硝子体に引っ張られるためにできます。硝子体は水分をたくさん含んだゼリーのような組織で、薄い硝子体膜に包まれているのですが、老化が進むと眼球の前方に向かって縮んでいく性質があります。一方の網膜は、9層もの神経網膜とその周りの網膜色素上皮で形成されている膜で、硝子体を包み込んでいます。

こうして硝子体が前方に縮むときに、接している硝子体膜と網膜が癒着していると、網膜が一緒に引っ張られてしまい網膜色素上皮から剥がれるのです。網膜裂孔ができると、網膜の裏側に裂け目から水分(液化した硝子体)が入り込み、剥がれを押し広げていきます。これが、網膜剥離の状態です。そして、剥がれてしまった網膜は光を感じなくなってしまいます。

網膜剥離の症状

このような状態になると、視界にはさまざまな変化があらわれます。まず、視野に黒っぽい虫のような影がちらちらする飛蚊症(ひぶんしょう)の症状があらわれてきます。飛蚊症は他の目の病気が原因でもみられますが、網膜剥離が原因となっている場合には墨を流したような影があらわれ、ちらつくのが特徴です。この状態を放っておくと視野欠損が起こり、視野が端のほうから欠けて、見えない範囲が徐々に広がっていきます。さらに悪化すると、今度は、目を閉じた時や暗い場所で視野の端に光が走る光視症(こうししょう)という症状があらわれます。これは、網膜と硝子体膜が癒着していると起こるものなので、網膜裂孔の前の段階を示しています。

もし、このような症状を自覚した場合には、早く眼科を受診しましょう。発見や治療が遅れると、視力を失うリスクが高くなります。視細胞は、黄斑部(おうはんぶ)という直径1ミリほどの部分に特に集中して存在しています。黄斑部はものを見るのにとても重要な働きをする網膜の中心部で、視力はこの黄班部が担っているので、黄斑部が剥がれると視力が著しく低下してしまいます。

網膜剥離が起こりやすい人

次の項目に当てはまる人は、網膜剥離が起こりやすい人です。重度の視力障害や失明を避けるためにも、普段から自分の視野の異常に注意していましょう。
40歳以上の人
網膜剥離の大きな要因には硝子体の老化もあげられます。網膜剥離が起こるピークは40歳~60歳といわれていますので、40歳を過ぎたら目の定期検査を受けるのがおすすめです。

近視が強い人
近視の人は一般に眼球の奥行きが大きいため、そのぶん網膜が伸び薄くなっていて破れやすい状態です。20代~30代の若い人に起こる網膜剥離については、強度の近視が原因なことが多くあります。

白内障の手術を受けたことがある人
過去に白内障の手術を受けたことがある人は、手術していない人と比べて硝子体の変性が速くなります。網膜剥離を促すような変化が起きやすくなっています。

ものがハッキリ見えない屈折異常

近視・遠視・乱視とは?

みなさんは視力が良いですか?裸眼でハッキリとものが見えていますか?目のトラブルの中でも、特に近視は割と身近なものだと思うのですが、目はどういう状態なのでしょうか。

近視、遠視、乱視は、それぞれ異なるパターンで、眼球の表面の角膜やレンズの役割をする水晶体の光を曲げる力が狂ってしまい、眼球の奥にある網膜でピントが合わずに像を結べなくなっている異常です。こうした状態のことを屈折異常(くっせついじょう)といいます。本来、ピントが合う位置は網膜です。しかし、光の屈折異常によって起こる近視、遠視、乱視では、ピントの位置がずれるために像がぼやけて見えてしまいます。

近くのものはよく見えるけれど遠くのものをハッキリ見ることができない近視では、レンズが光を曲げる力が強すぎたり、眼軸(目の奥行き)が長すぎるために、網膜よりも手前の位置でピントが合ってしまいます。遠視の場合は、誤解している人が多いようですが、近視とは逆で近くがよく見えなくて遠くは見える、ということではありません。レンズが光を曲げる力が弱くて、眼軸(目の奥行き)が短いために、網膜よりも後ろの位置でピントが合ってしまいます。その結果、遠視の人は近くも遠くも見えにくい状態なのです。また、乱視の場合には角膜がゆがみ、目に入る光の縦軸と横軸のピントが揃わないために、どこもぼやけて見えてしまうのです。

このようにして起こる近視、遠視、乱視を改善するには、眼鏡をかけたりコンタクトレンズを着けたりと、人工のレンズを用いて網膜にピントを合わせ、視力を矯正しなければなりません。

老眼は目の老化現象

私たちの目には、網膜上にピントが合うように自動で調節する機能があります。ものがハッキリ見えるように、近くのものを見るときには水晶体が厚くなり、遠くのものを見るときには逆に水晶体が薄くなって調節しています。しかし、この調節機能は年齢とともに衰えることがわかっていて、30代のなかばを過ぎたくらいから水晶体が硬くなり、目の老化現象が始まるのです。

近くを見るときに水晶体を厚くすることができなくなりピントが合わない、これが近くのものが見にくい老眼の状態です。この目の老化現象は、40代、50代とさらに進行し、60歳を過ぎるまで少しずつ進行していきます。進む速さは人によって違いますが、目の老化の進行が止まるまで、ハッキリと見える範囲は遠のいていくのです。

近視の人は老眼にならない、というような事を聞いたことがあるかもしれませんが、これは間違いで老眼はどんな人にも起こります。ただ近視だともともと近くはよく見えているので、近くが見えにくい老眼の状態が目立たないということです。

疲れ目が引き起こすトラブル

疲れ目には要注意

私たちがよく目の疲れを感じるのは、例えば、時間が経つのも忘れ手元の細かい作業に集中したあとなどです。でもこの疲れには、運動したあとに筋肉疲労で出る筋肉痛のようにしっかりした症状がないので、異常といってもなんとなくあいまいな感じです。そのせいか、自分の疲れ目をそのまま放っておいてしまう人が多いようです。ただの疲れ目だろうと思う症状でも、すぐにでも治療しなければならない目の病気や全身の病気からきている危険信号であることがあります。また、少し休めば改善するくらいの目の疲れであっても、放置しておくと深刻な症状のトラブルに発展してしまうこともあります。

長時間細かい物を見たあとに起こる疲れ目は、目の周りの筋肉をマッサージしたり睡眠をしっかりとることで、ふつうは解消できます。しかし、その都度疲れを解消していかないと次第に症状が重くなります。すると目の疲れだけでなく、肩コリや頭痛、全身のだるさ、不眠など、『眼精疲労』といわれる全身に及ぶ症状があらわれるのです。

目の疲れから起こる眼精疲労

眼精疲労は、目に疲れがたまることで首や肩のコリ、頭痛、微熱が出るなど全身にさまざまな症状を引き起こすトラブルです。目をひどく疲れさせる原因は、いろいろなことが考えられるので特定するのは難しいのですが、次のようなことがあります。

  1. ピントの調節機能が低下することで起こる疲労。
  2. 眼球を動かす筋肉に疲れがたまり、正しい位置に動かせなくなることで起こる疲労。
  3. 目を酷使しすぎて視神経の働きが悪くなることで起こる疲労。
  4. 結膜炎や緑内障など他の目の病気で、目の組織の負担が増すことで起こる疲労。

精神的なストレスが原因となって眼精疲労が起こることもあります。私たちの体の動きは自律神経がコントロールしていて、緊張している時の交感神経と、リラックスしている時の副交感神経がバランスを保ちながら働いています。精神的なストレスが強まると交感神経が興奮して、筋肉が緊張したり血行障害が起こります。そしてこれが目に影響すると、眼精疲労の症状があらわれるのです。また、物が見えにくかったり目が痛むといった眼精疲労による不快感がストレスとなって、さらに症状を悪化させてしまうこともあります。

ドライアイと疲れ目

OA化が急速に進んだ日本では、それに伴うように『ドライアイ』の患者が増えています。文字通り目が乾く病気ですが、目の酷使と慢性的疲労が原因です。パソコンなどのモニターをじっと見つめたままだと、まばたきをする回数が減り、目の表面に涙がじゅうぶんに行き渡らなくなります。涙は角膜の汚れを取ったり栄養を補給したりと目にとって重要な働きをしているので、涙が減ると目の表面が乾き傷つきやすくなって、目の乾きをはじめ、痛みや充血などが起こります。

ドライアイは、日常生活に気をつけることで予防することができます。集中して近くの物を見ないようにする、意識的にまばたきしたり目薬をさして乾燥を防ぐ、人間の体は夜は涙の分泌量が減る仕組みなので夜更かしをしない、できるだけストレスをためず目の負担を減らす、これらのことに気をつけてみましょう。

ルテイン以外の目の健康のための成分

加齢黄斑変性症にはドライタイプとウエットタイプのふたつの種類があるのですが、網膜の下にある脈絡膜(みゃくらくまく)に新たに血管ができてしまうウエットタイプの場合の、その血管形成を阻むものとして、マグネシウムやサメの軟骨の成分が知られています。

目の病気にはマグネシウムとサメの軟骨も有効

女性は年齢が高くなると骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になるリスクが高まり、1000ミリグラム以上のカルシウムを毎日摂取することが望ましいとされてきましたが、カルシウムをどんなに摂ったとしてもマグネシウムの摂取量が足りないと、目の場合には、白内障や眼性の偏頭痛、また眼底で血液循環の閉鎖が起こる危険があることがわかっています。

カルシウムは血管の裏の滑らかな筋肉を締めつけるので、血管が狭くなったり塞がれたりして血圧が高くなり、目や脳に起こる軽い発作を促す恐れがあって、過剰なカルシウムは良くありません。このようにして高血圧が起こると、これを下げるためにカルシウムの封塞剤(ふうそくざい)が用いられますが、マグネシウムは天然の封塞剤として作用するし、筋肉を緩和したりします。それだけでなく、体の中ではコントロールするのが特に難しいといわれる瞼(まぶた)の発作や目の血管の発作、偏頭痛、緑内障でもときどき見られる血液の循環不全に対しても、マグネシウムは有効だとされています。近年では、マグネシウムに、網膜の視覚色素を破壊しやすい青い光から目を守る働きがあることが明らかにされました。

サメの軟骨については、ハーバード大学の研究者によって、抗血管形成作用があることが明らかになっていて注目されました。サメの軟骨の成分には、新たな血管ができるのを遅らせて、新しくできた腫瘍に栄養が与えられるのを妨げる働きがあることがわかっています。

もともとある血管に新たに枝分かれして発生する異常な血管が新生血管ですが、目の場合、脈絡膜からこの新生血管が生じ、眼底の中心の黄斑部で起こるので、新生血管黄斑症といわれます。加齢黄斑変性症はその代表です。新生血管は血液成分がもれやすかったり、出血しやすいという性質があります。網膜の下に血液がたまると網膜剥離(もうまくはくり)になり、網膜の機能が低下します。

サメの軟骨が抗血管形成に作用することがわかったことは、黄斑変性症において新生血管が生じるのを阻止することに期待がもてます。