抗酸化作用で生活習慣病を予防・改善
ルテインとゼアキサンチンはカロテノイドの中でもとても強力な抗酸化作用をもっていますので、目の病気だけでなく他の生活習慣病に対しても優れた効果が期待できます。それは、ルテインやゼアキサンチンなどの抗酸化物質に、ガンや動脈硬化などのさまざまな生活習慣病を抑制する働きがあるからです。
ワインの生産量・消費量の多いフランスの人々が、ほかのヨーロッパ各国の人々より動物性脂肪をたくさん摂っていてもガンや心疾患になる人が少ないのは、赤ワインの消費量が多いためだと考えられています。これは赤ワインに含まれる抗酸化成分のポリフェノールによるものだということが、フランスやアメリカの研究者により明らかになっています。日本でも研究が進み、赤ワインを飲まなかった人よりも飲んだ人のほうが悪玉コレステロールの酸化が抑えられていることがわかり、学会でも報告されています。ポリフェノールは、ビタミンEの半分の濃度で活性酸素の酸化を防ぐことができることや、アルツハイマー病の発症を抑えることもわかっています。
このように抗酸化物質は、生活習慣病のガンや動脈硬化、高血圧、心臓病などを予防し、改善するのにとても効果的です。活性酸素を除去するには、人工的な医薬品としてより、カロテノイドのように自然の植物、野菜や果物に含まれる天然物として摂取するほうが優れています。そして、生活習慣病の予防や改善の効果は、高い抗酸化力のあるルテインとゼアキサンチンについても当てはまるのです。
これらのことを裏付けるような研究のデータがいくつか報告されているのですが、そのうちのひとつに、ハワイ大学によるルテインのガンに対しての改善効果に関する調査報告があります。それによると、南太平洋諸島の中でもフィジー諸島に暮らす人々がほかの島民と比べてルテインの摂取量が多いこと、それと血中濃度がほかの島民よりも高いことがわかっています。このことから、フィジー諸島の人々に肺ガンがとても少ないことの理由のひとつとして明らかになりました。ルテインの一日の摂取量をみてみると、フィジー諸島の島民が平均18~23ミリグラムに対し、タヒチ島の島民の場合4ミリグラムあまりと、かなりの差があります。また、アメリカでガンの死亡原因のうち2位の結腸ガンとルテインに関しての研究では、ルテインを豊富に含んだ食物を最も多く摂取している人が男女ともに、結腸ガンの発生率が低いことが明らかになったとされています。
こういった研究では、ルテインがガンのリスクを低減させるのに関連のある成分として特定されたといえ、カロテノイドの中でも優れた抗酸化物質であるルテインの働きが証明されたのです。
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